冷蔵庫が冷えない!その原因と対処法や買い替え時期を解説

冷蔵庫

あるとき気づいたら、冷蔵庫が全然冷えていない! そんなことに気づいたら、食材をどうしようかと頭がいっぱいになりますよね。とくに家族の食事を支える立場だと、早くなんとかしようと焦ってしまいますが、変に触ると悪化しそうで手を出せず、不安が重なってしまいます。

そこでこの記事では、冷蔵庫が冷えないときの主な原因と安全に試せる対処法を解説します。あわせて、修理と買い替えの目安になるポイントもわかりやすくまとめました。冷蔵庫の調子が悪くて不安になっている方の助けに少しでもなれれば幸いです。

冷蔵庫が冷えないときに最初に確認したいポイント

冷蔵庫が冷えていないと気がついたときは、食材がダメになってしまうかもしれないと焦ってしまいがちだと思います。ですがまずは落ち着いて、原因を探ってみましょう。この項目では、冷蔵庫が冷えないときにまず確認しておきたいポイントを解説します。

電源プラグとブレーカーの状態を見直す

冷蔵庫が冷えないと感じたら、最初に電源まわりを落ち着いて確認してください。コンセントが奥まで差し込まれているか、途中でタコ足配線や延長コードを挟んでいないか、などです。特に大型家電は、延長コードを使うと電圧が不安定になり、冷却力が落ちやすくなります。

この時に、ブレーカーの履歴も確認してみましょう。過去にブレーカーが落ちていた場合、他の家電は問題なくとも冷蔵庫だけ通電していないケースがあります。分電盤の中に冷蔵庫専用のスイッチがある家庭も多く、表示パネルのランプが消えている場合は、内部の故障だけでなく電源経路の乱れも候補に入ります。

扉の閉まり具合とパッキンの劣化をチェックする

電源に問題がなさそうなら、次に冷蔵庫の扉まわりを確認してください。扉がきちんと閉まり切っていないと、冷気が逃げて庫内が冷えにくくなります。ドアポケットに大きなペットボトルを詰め込みすぎていると、知らぬ間に半ドア状態になっていることもあります。

扉のゴムパッキンが硬くなって隙間が空いていたり、汚れで密着しにくくなっていたりしないかもチェックしましょう。薄い紙を挟んで扉を閉め、軽く引くだけでスッと抜ける場合は密閉が甘くなっています。ゴムパッキンの清掃をしたら、冷却力の回復が見込めるかもしれません。

詰め込みすぎると冷気が通らない

庫内の詰め込みすぎも、冷蔵庫が冷えない要因の一つです。冷気の吹き出し口の前に食材や容器が重なっていると、冷たい空気がせき止められて全体へ回りにくくなり、結果として冷蔵庫が冷えなくなります。

一度、冷蔵庫内に余裕があるか確認してください。奥までぎっしり入っている場合は冷蔵庫内を整理して、冷気が上下左右へ動ける空間を作りましょう。それだけで冷蔵庫の冷えが改善されますし、食材の整理ができるので、次の買い出し計画も立てやすくなります。

温度設定と運転モードを確認する

見落としがちですが、冷蔵庫本体の温度設定や運転モードも確認したい項目です。省エネを意識して弱モードにしていた場合、そのまま夏を迎えると外気温に負けて冷えない状態が続きやすくなります。表示パネルに季節や周囲温度に応じた推奨設定があれば、一度それに合わせてみる価値があります。

また、急冷モードや一時的な節電モードが入ったままになっていないかも見てください。子どもが触って設定が変わるケースや、停電後に自動復帰した際に自動でモードが変わっていることもあり得ます。冷蔵室と冷凍室の表示温度が極端にアンバランスな場合は、内部の冷気の流れが乱れているサインにもなります。

冷蔵庫が冷えない主な原因を整理する

もし確認するべきポイントを見ても改善しなかった場合は、他の部分に原因が隠れています。冷蔵庫が冷えない主な原因を、この項目では紹介していきます。

使用環境や設置場所が冷えを妨げている場合

冷蔵庫が冷えない大きな原因の一つが、置き場所です。冷蔵庫を壁際に置いていると、背面や側面が壁に近すぎて放熱がうまく進まず、庫内温度が下がりにくい状態を招きます。その状態で使用しているとコンプレッサーが長時間動き続け、冷蔵庫への負担も増えてしまいます。

直射日光が当たる位置や、コンロ・オーブンのすぐ横に置いている場合も要注意です。冷蔵庫の周囲の温度が高いと、冷却性能が追いつきません。取扱説明書に記載された離隔距離や設置条件を確認し、必要に応じて少し動かしてみるだけでも状況が変わる場合があります。

霜やホコリで冷却機能が落ちている場合

冷却部分に霜が厚くついている場合も要注意です。冷気を作る装置が氷で覆われている状態のため冷却機能が落ちてしまい、効率よく冷やせなくなります。ファンの近くに霜が付着していると、風の流れも弱まりやすくなり、冷気を庫内に循環させる力が弱まってしまうでしょう。

一方、庫内ではなく背面や下部にある放熱器にホコリが溜まる場合もあります。ホコリが放熱フィンを覆うと外へ熱を逃がしにくくなり、その結果庫内が思うように冷えません。安全にアクセスできる範囲で、電源を抜いてから掃除をしてみることで改善につなげられるかもしれません。

ファンやセンサーなど内部部品の不具合

冷蔵庫の冷えが弱い場合、内部のファンやセンサーがうまく働いていないケースもあります。冷気を冷凍室から冷蔵室へ送るファンが止まると、片側だけ冷える状態になりやすく、ファン周りに氷が張り付いたり、異物が挟まったりして回転が妨げられてしまいます。

温度センサーの状態もチェックしましょう。センサーが誤作動を起こして庫内温度を誤って検知すると、実際には冷えていないのに運転を弱めてしまう場合があります。このような内部部品の異常は専門家でないと判断できませんが、前の項目で触れた基本的な確認を済ませても冷えないときは、内部の部品トラブルの可能性も考慮してください。

経年劣化や容量不足で性能が足りなくなっている場合

長く使った冷蔵庫は、部品の摩耗や冷媒ガスの劣化により、本来の性能よりも出力が落ちるケースが出てきます。コンプレッサーに負担がかかり続けると、異音を発して冷えが弱くなる場合があります。製造から十年以上経っている機種は、そもそもの設計自体が今の基準とは異なるでしょう。

家族構成が変化したことで、必要になる食材の量が増え、結果として冷蔵庫のキャパを超える詰め込み状態になってしまうこともあります。本来のキャパより多くの食品を入れ続けると冷気が行き渡らず、どうしても冷却性能は落ちてしまい、そのまま無理をさせると、故障のリスクも高まります。使用年数や容量の合い具合を見直すことで、修理や買い替えなど様々な選択肢が見えてくるでしょう。

自分でできる安全な対処法とやってはいけない対応

中身が詰まった冷蔵庫

ここまでで、冷蔵庫が冷えない原因をいくつか挙げてみました。さらにこの項目で、具体的に対応できる対処法をご紹介しましょう。

中身を整理して冷気の通り道を作る

冷蔵庫が冷えないと感じたら、最初に中身の整理から始めてください。庫内がぎゅうぎゅうの状態だと、冷気が奥まで届きにくくなります。とくに冷気の吹き出し口の前に箱や大きな容器があると、手前だけ冷たくて奥がぬるい温度になりやすいです。

一度、手前の食品を別の場所に移し、奥の様子が見える状態に整えてみましょう。賞味期限が過ぎたものや、使いかけで忘れていた容器が見つかる場合もあります。それらをなくすことで冷気の通り道が増え、冷蔵庫本来の冷え方に近づきやすくなるでしょう。

庫内と周辺を軽く掃除する

冷蔵庫が冷えない原因に、地味ですが汚れやホコリの蓄積があります。庫内の棚にこぼれた液体や、ラップからついた油汚れが残っていると、においだけでなく冷え具合にも影響します。吹き出し口周辺の汚れも、風の流れを邪魔する要素の一つなのでチェックしてください。

手の届く範囲で大丈夫なので、周囲の床や背面パネルも軽く掃除してみてください。背面の放熱部は、ホコリが厚く積もると熱を逃がしにくくなります。電源を抜いたうえで、掃除機や柔らかいブラシを使って掃除をしてみると、冷却性能の回復が見込めるかもしれません。

一時的に温度設定を見直して様子を見る

冷蔵庫が冷えないときは、温度設定を一段階だけ下げて様子を見る方法もあります。これは、季節の変化や周囲温度の上昇で、これまでと同じ設定では追いつかなくなっている可能性がありためです。異常に暑い日が続いたあとは特にこのケースが散見されます。

ただし、いきなり最強設定へ振るよりも、段階的に調整したほうが負担が少なくなります。取扱説明書に推奨設定が記載されていれば、それに合わせて変えてみてください。設定を変えても冷えない状況が続く場合は、他の原因を考えましょう。

中身を入れたまま長時間の電源オフをしない

一方で、やってはいけない対応もあり、庫内に食材を入れたまま長時間電源を切って様子を見ることなどはその代表です。当然ですが一度温度が上がると食材の傷みが進み、再び冷えたところで品質が戻りません。電源を切るときは、庫内の食材に充分注意を払ってください。

また、頻繁に電源を入り切りすると、コンプレッサーへ余計な負荷がかかります。特に短い間隔でオンとオフを繰り返すと、故障を早めることにつながります。状況的に仕方がないとはいえ、電源操作は最小限にとどめたほうが安全でしょう。

自分で分解したり冷媒まわりへ触れたりしない

もう一つ避けたいのが、素人判断での分解作業です。パネルを外してみようとしたくなるかもしれませんが、冷媒配管や電気配線はデリケートな部分です。少し強く触れただけで、冷媒漏れや感電のリスクが生じます。

インターネット上には自分で直した経験談もありますが、成功例だけを見てまねるのは危険です。冷蔵庫が冷えない原因が内部部品に及んでいると感じた段階で、手を止めて専門の修理窓口へ相談してください。身の安全を守るためでもありますし、修理の保証から外れてしまうリスクも抱え込んでしまいます。

修理を依頼すべきケースと買い替えを考えたいタイミング

冷蔵庫が冷えない症状が出ても、すぐに買い替えが必要とは限りません。冷凍室は冷えているのに冷蔵室だけ温度が高い状況のように、症状が一部にとどまる場合は比較的範囲が限られた故障が想定されるため、修理で改善できるかもしれません。購入から五〜七年程度で初めて冷えにくさを感じた段階なら、延長保証に加入していれば部品交換を低負担で済ませられることもあるので、修理窓口への相談が現実的です。

一方で、製造から十年前後を超える冷蔵庫が冷えない場合は、買い替えを視野に入れたほうが合理的かもしれません。内部のコンプレッサーや冷媒まわりの劣化が進んでいると、一つの部品を交換しても別の箇所が次に故障しやすくなるため、修理を重ねた結果として総額が大きくなりやすいです。古い機種は最新モデルと比べて消費電力も高く、冷却力が落ちていくほど電気代が増える傾向があります。

修理と買い替えで迷うときは、修理費の見積もりと、買い替えによって削減できる電気代を合わせて考えてみてください。冷蔵庫が冷えない原因がコンプレッサー本体に及んでいる場合、修理費が高額になりがちのため、買い替えの優先度が上がります。逆に、最新モデルへ切り替えた場合の電気代の差を年間で比較すると、想像以上に節約効果が大きいケースもあります。

買い替えと修理の判断は難しいところですが、症状を解消しつつ、今後の維持コストも見据えて判断できるよう考えてみてください。

まとめ

この記事では、冷蔵庫が冷えないときに確認したいポイントと原因、対処法と買い替え検討について解説しました。冷蔵庫が冷えない状況は不安になりやすいですが、原因を順に確認していくと対処の方針も見えやすくなります。設置環境や庫内の詰め込み、設定の見直しで改善する場合もあれば、内部部品の劣化が進んで修理が必要になる場合も出てくるでしょう。

反対に、製造からの年数が長い機種は買い替えが現実的になることもあります。状況を整理しながら無理のない判断へつなげてください。

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